2006年12月14日

巨人との忘年会(2)

やや緊張しながらレストランに入ると、数名の黒服スタッフが笑顔で出迎えてくれた。親ビンのあとを追って恐る恐る店の奥へ進むと、4人がけのテーブル席へ案内された。

3人が着席したところで、黒服の先生(あまりにも素晴らしいサービスぶりだったので、ここではあえて先生と呼ばせていただく)のひとりがいう。

「今日はいかがいたしましょうか」

「まずはグラスシャンパンで乾杯だな」

すぐにソムリエの先生がシャンパンのボトルを1本持ってきた。よく見ると、なんとドンペリニヨンではないか!(ヴィンテージは1961年だったような、そうでなかったような・・・)。

「おいおい、俺からぼったくる気か?」

「いえいえ、今日は特別でございます」

そういいながら、ソムリエの先生が目の前で抜栓し、3人のグラスに静かに注いでくれた。これから一体どうなってしまうんだろうと一抹の不安がよぎる。

「かんぱーい! 1年間お疲れ様でしたー!」

振り返れば、親ビンにとって今年は本当に大変な年だった。K編集長も大変だった。もちろんこの赤い彗星も。3人ともよくがんばったなぁ。

それはともかく、

「これ、本物のドンペリなんですから、ビールみたいに飲まないでくださいよ」

と、小声で注意したにも関わらず、K編集長はグビグビと飲み干してしまった(あっちゃー!)。その一方で、親ビンは珍しくゆっくりと味を確かめながら飲んでいた。やっぱりヴィンテージを見て飲んでるんだ。お〜怖っ! 恥ずかしながらこの赤い彗星、シャンパンの味はまったくわからない。

料理はメニューにあるコースではなく、親ビンの好みを熟知しているシェフのお任せらしい。

前菜の盛り合わせから始まって、ふかひれスープ、北京ダック、和牛フィレ肉の炒め物、ドデカイ牡蠣の味噌だれ焼きが2つ、伊勢海老とあわびのピリ辛スープ、五目炒飯、シェリー酒を加えたバニラアイスなど(他にもあったと思うが記憶が定かでない)、絶妙のタイミングで黒服の先生方が運んでくる料理は、この世の物とは思えないような美味。

グルメ番組でタレントがコメントしている場面をよく見かけるが、本当に美味しい物を口にしたとき、人は言葉を失うものであることを初めて知った。

「お飲み物はいかがいたしましょう」

「そうだなぁ。白ワインをもらおうか。ブルゴーニュとボルドーのどっちがいい?」

そんなこと訊かれてもわかるはずがない。それも白ワインなんてあまり飲んだことがない。

「先生にお任せします」

「最近、歳のせいかボルドーよりブルゴーニュの方がイイんだよなぁ」

何の話かサッパリわからない。

結局、ソムリエの先生が持ってきたのは、2000年のムルソー・クロ・ド・ラ・バール/ドメーヌ・デ・コント・ラフォン(Meursault Clos de la Barre/Domaine des Comtes Lafon)。これがまたとても信じられない美味しさ。白ワインのはずなのに金色に輝いている(なんじゃこりゃ?)。そしてとろ〜りとしていてかなり力強い(これはフルボディか?)。あとで調べてみると、17,000円〜24,000円で流通しているらしい。(をいをい!)

「次はいかがいたしましょう」

「う〜ん、この白の後だから難しいなぁ。料理に合わせて赤ワインを」

で、ソムリエの先生が持ってきた赤ワインは、1996年のヴォーヌ・ロマネ/エマニュエル・ルジェ(Vosne Romanee/Emmanuel Rouget)。さすがにソムリエの先生が選んだだけのことはある。味も香りも申し分がなくて本当に素晴らしい。でもムルソーの衝撃があまりにも大きすぎたなぁ。このワインの流通価格も17,000円〜20,000円ほどらしい。(どうしてくれるんだい!)

料理や飲み物だけでなく、店内の雰囲気も黒服の先生方のきめ細やかなサービスも超一流で、これ以上ないという至福のひと時を過ごすことができた。もう死んでもいいと思った。

菊地臣一先生、この度は誠にありがとうございました。この場を借りて、心より厚くお礼申し上げます。m(_ _)m

「今回は20万くらいでしょうかね?」

「どうでしょうねぇ。ヘタをすると30万に手が届いているかもしれませんよ」

次回のホストはK編集長である。今から相当ビビッている。でも、身の丈にあったことしかできませんって。気持ちをわかってもらえるように努めていきましょうや。

この3人の会を『親ビン子ビンの会』と命名したいと思う。親ビンには弟子が100人以上いるわけだから、弟子になどなれるわけがない。だから『親ビン子ビンの会』なのである。誰がハゲチャビンじゃい! (`ヘ´)
posted by 長谷川 淳史 at 09:41| 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする