菊地臣一親ビンの話を続けたい。
親ビンを「巨人の肩の上に立つ巨人」と表現したが、一部のマニアックな人間にいわせると、親ビンはすでに上部構造へシフトしている、あるいはイッちゃってるといえなくもない。だとすれば、とてつもない苦悩を抱えているはずである。
なぜなら、結局のところ人類は「STAND ALONE COMPLEX」(孤立しつつもゆるやかな複合体:ユングの集合的無意識に近い概念?)であり、「水は低きに流れ、人の心もまた低きに流れる」のが世の常だからだ。
親ビンが何を目指しているかは知る由もない。だが、ぬるま湯のような下部構造で安住している人々に上部構造を垣間見せ、そこへ向かわせようと考えているのならば、とても正気の沙汰とは思えない。一個人の力でどうにかなるような問題ではないのだ。
でも、親ビンならやりかねない、と思わせるところが怖い。
「明日は整形外科医を1,200人集めた学会があるんだ。オレが企画した立場上、挨拶ぐらいはしなきゃならん」
「1,200人っすか!?」
「名前だよ名前。これでも業界では、少しは知られてんだぞ」
「おや、それは初耳」
微力ではあるが、少しでもお力になりたいものである。親ビンが密かに置いていったマーカーは、この赤い彗星がひとつ残らず拾わせてもらおう。そしていつの日か上部構造へ・・・てか?









