2016年01月22日

エビデンス取り扱い上の注意

腰痛治療の新常識』と題して、腰痛を中心に筋骨格系疾患の原因と治療に関するエビデンス(科学的根拠)を不定期で紹介していますが、エビデンスを知ったからといって必ずしもよい医療ができるとは限りません。エビデンスを最優先し(俗にいうエビ固め)、それを患者さんに押し付けるのは暴力行為(ドクターハラスメント)です。

そもそもEBM(根拠に基づく医療)の定義は、「エビデンス」「患者の状況」「患者の価値観」「治療者の技」を統合することです。したがって、エビデンスは全体の4分の1でしかないということを肝に銘じていただきたいと思います。エビデンスは必要条件であっても、けっして十分条件ではありません。

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愚拙がここで『腰痛治療の新常識』を公開する理由は、腰痛にまつわる迷信や神話に振り回されて腰痛難民になってほしくないからです。また、イギリスとアメリカではメディアリテラシーやヘルスリテラシーを育むために「根拠を尋ねよう」と銘打つキャンペーンが始まっていますが、日本でこのようなキャンペーンを実施するのはおそらく不可能だと思うからです。

医学教育の基礎を築いたウイリアム・オスラーの「医療はサイエンスに支えられたアートである」という言葉を忘れないでいただきたいと思います。どちらに傾くこともなく、常にサイエンス(エビデンス)とアート(患者の状況・患者の価値観・治療者の技量)のバランスを考えていただければ幸いです。

posted by 長谷川 淳史 at 09:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

腰痛治療の新常識―264―

重篤な脊椎病変の可能性(レッドフラッグ)とは「発症年齢が20歳未満・55歳超」「非メカニカルペイン」「胸部痛」「がんやHIVの既往歴・ステロイド使用歴」「体調不良・体重減少」「広範な神経症状」「変形」で4週以内に専門医への紹介が必要。http://amzn.to/Hk8veA

レッドフラッグ(危険信号)が認められる場合は、画像検査(単純レントゲン撮影・MRI)や血液検査(ESR・CRP)が必要です。腰痛疾患にCTはお勧めできません。

国民の利益になるかもしれません。もしご迷惑でなければ「シェア」をお願い致したく存じます。いちいち承諾を得る必要もなければ、TMSジャパンも愚拙の名前も出す必要はありませんので、SNSはもちろんブログやサイトに引用先のURLごとコピー&ペーストして、情報の拡散にお力を貸していただけると幸甚でございます。

posted by 長谷川 淳史 at 01:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

3月の個人治療プログラム

3月の個人治療プログラムが決まりましたので、2月のスケジュールも併せてお知らせ致します。

あらゆる方法を使って腰痛の原因と治療に関するエビデンス(科学的根拠)を紹介していますが、エビデンスだけではより効果的な治療を行なうことはできません。世界各国の腰痛診療ガイドラインが勧告しているように、腰痛疾患では1対1で膝を突き合わせて話し合うことがきわめて重要です。

そこでTMSジャパンは、腰痛治療セミナーや講演会という形式ではなく、個人的に相談や質問をしたいというご要望にお応えするために、個人治療プログラムという自由に話し合える場を設けています。お茶でも飲みながらお話をしてみませんか? どうぞお気軽に遊びに来てください。

なお、受け入れ人数に限りがございますのでご予約はお早めにお願い致します。

個人治療プログラム

【日 時】2月16日(火)・17日(水)・18日(木)⇒品川インターシティA棟28F

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【定 員】1日5名まで(同伴者1名まで可)

【日 時】3月15日(火)・16日(水)・17日(木)⇒品川インターシティA棟28F

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【定 員】1日5名まで(同伴者1名まで可)

【内 容】セミナー形式ではなく個人的に相談や質問をしたいという要望に応えるために用意したプログラムです。本を読んでも改善しないので他にどんな治療戦略があるのかを知りたい方、症状が強くて「腰痛治療セミナー」に出席できない方、大勢の人と一緒ではなく一対一で「腰痛治療セミナー」を受講したい方、「腰痛治療セミナー」を受講したけれどもまだ詳しく知りたいことがある方、抱えている個人的問題について一緒に考えたい方、コーヒーでも飲みながら世間話をしたい方などが対象となります。

臨機応変に対応させていただきますが、1セッション1時間20分と限られているため(連続2コマの予約も可)、レコーダーをお持ちの方はどうぞご遠慮なく会話を録音してください。

posted by 長谷川 淳史 at 00:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 更新履歴 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする