2016年12月06日

根拠に基づく腰痛治療―13―

■椎間板ヘルニアと診断された強い腰下肢痛を訴える患者46名と、年齢、性別、職業などを一致させた健常者46名の腰部椎間板をMRIで比較した結果、健常者の76%に椎間板ヘルニアが、85%に椎間板変性が確認された。http://1.usa.gov/iN3oKG

■脊椎医療の分野では、腰痛や頚部痛の発症および慢性化に対する社会的影響を過小評価、もしくはほとんど無視してきた。しかし、社会的疼痛は身体的疼痛と同様に無視できない疼痛である。人は社会的な絆に支えられて生きているのだから。http://1.usa.gov/jfBai5

■モルヒネの鎮痛作用に最も関連深いμオピオイド受容体に変異のある被験者を対象にfMRIで分析した結果、社会的疼痛と身体的疼痛は脳の同じ領域(背側前帯状皮質・前部帯状回)が関与している可能性が明らかに。社会的な絆は重要。http://1.usa.gov/jnoVqO

■18〜75歳の一般住民6,569名を9年間追跡調査した結果、慢性疼痛および広範囲の疼痛を持つ被験者は、疼痛のない被験者より死亡率が20〜30%高かった。早期死亡の主な原因は乳癌と前立腺癌。運動量や食事習慣などが関与? http://1.usa.gov/iYuYJs

■25〜74歳の一般住民1,609名を最長14年間追跡調査した結果、広範囲にわたる慢性疼痛を持つ被験者は、疼痛のない被験者より死亡率が高いことが確認された。その死亡率上昇は、喫煙、睡眠障害、身体活動低下と関連していた。http://1.usa.gov/k8QzfA

■腰痛患者100名と健常者100名を対象に腰部X線写真を比較した研究では、両群間の腰仙移行椎、脊椎辷り症、潜在性二分脊椎、変形性脊椎症の検出率に差は認められなかった。画像検査による脊椎の異常所見は本当に腰痛の原因か? http://1.usa.gov/lCMbXb

■腰痛患者200名と健常者200名のX線写真を比較した結果、脊椎辷り症、腰仙移行椎、潜在性二分脊椎、椎間狭小、変形性脊椎症、脊柱側彎症、前彎過剰、前彎減少、骨粗鬆症、シュモール結節、圧迫骨折、骨盤傾斜の検出率に差はない。http://1.usa.gov/jb0ly3

■18〜50歳までの腰痛患者807名と健常者936名を対象に、腰部X線撮影で脊椎分離症の検出率を比較した結果、腰痛患者群は9.2%、健常者群は9.7%だった。脊椎分離症が腰下肢痛の原因と考えるのは非論理的。http://1.usa.gov/j2Jw5a

■発症後1年以内の腰痛患者144名と健常者138名を対象に、骨盤の歪みを厳密に測定して腰痛との関連を調べた研究により、どのような臨床的意義においても、骨盤の非対称性(歪み)と腰痛とは関連していないことが証明されている。http://1.usa.gov/kIBHZm

■港湾労働希望者208名、急性腰痛の港湾労働者207名、慢性腰痛患者200名のX線写真を比較した結果、両群間の異常検出率に差がなかったことから、将来の腰痛発症を予測できず、放射線被曝するX線撮影は雇用者の選別には不適切。http://1.usa.gov/kNXTVG

posted by 長谷川 淳史 at 01:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

個人治療プログラム

あらゆる方法を使って腰痛の原因と治療に関するエビデンス(科学的根拠)を紹介していますが、エビデンスだけではより効果的な治療を行なうことはできません。世界各国の腰痛診療ガイドラインが勧告しているように、腰痛疾患ではマンツーマンで膝を突き合わせて話し合うことがきわめて重要です。

そこでTMSジャパンは、腰痛治療セミナーや講演会という形式ではなく、個人的に相談や質問をしたいというご要望にお応えするために、個人治療プログラムという自由に話し合える場を設けています。どうぞお気軽に遊びに来てください。

個人治療プログラム

【日 時】12月19日(月)・20日(火)・21日(水)⇒コンド恵比寿702号室

r_b-2 (1).jpeg xlarge_731e6cc4-e17e-4f1c-ba4e-196d00d07a9b (1).jpg

【定 員】1日5名まで(同伴者1名まで可)

【日 時】1月17日(火)・18日(水)・19日(木)⇒コンド恵比寿702号室

r_b-2 (1).jpeg xlarge_731e6cc4-e17e-4f1c-ba4e-196d00d07a9b (1).jpg

【定 員】1日5名まで(同伴者1名まで可)

【日 時】2月14日(火)・15日(水)・16日(木)⇒コンド恵比寿702号室

r_b-2 (1).jpeg xlarge_731e6cc4-e17e-4f1c-ba4e-196d00d07a9b (1).jpg

【定 員】1日5名まで(同伴者1名まで可)

【内 容】セミナー形式ではなく個人的に相談や質問をしたいという要望に応えるために用意したプログラムです。本を読んでも改善しないので他にどんな治療戦略があるのかを知りたい方、症状が強くて「腰痛治療セミナー」に出席できない方、大勢の人と一緒ではなく一対一で「腰痛治療セミナー」を受講したい方、「腰痛治療セミナー」を受講したけれどもまだ詳しく知りたいことがある方、抱えている個人的問題について一緒に考えたい方、ゆっくり世間話をしたい方などが対象となります。

臨機応変に対応させていただきますが、1セッション1時間20分と限られているため(連続2コマの予約も可)、レコーダーをお持ちの方はどうぞご遠慮なく会話を録音してください。

posted by 長谷川 淳史 at 00:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。