2017年02月28日

個人治療プログラム

あらゆる方法を使って腰痛の原因と治療に関するエビデンス(科学的根拠)を紹介していますが、エビデンスだけではより効果的な治療を行なうことはできません。世界各国の腰痛診療ガイドラインが勧告しているように、腰痛疾患ではマンツーマンで膝を突き合わせて話し合うことがきわめて重要です。

そこでTMSジャパンは、腰痛治療セミナーや講演会という形式ではなく、個人的に相談や質問をしたいというご要望にお応えするために、個人治療プログラムという自由に話し合える場を設けています。どうぞお気軽に遊びに来てください。

個人治療プログラム

【日 時】3月14日(火)・15日(水)・16日(木)⇒コンド恵比寿702号室

r_b-2 (1).jpeg xlarge_731e6cc4-e17e-4f1c-ba4e-196d00d07a9b (1).jpg

【定 員】1日5名まで(同伴者2名まで可)

【日 時】4月18日(火)・19日(水)・20日(木)⇒ライオンズマンション小川恵比寿502号室

thumb_20170119_160113.jpg L_ebis502.jpg

【定 員】1日5名まで(同伴者2名まで可)

【日 時】5月16日(火)・17日(水)・18日(木)⇒ライオンズマンション小川恵比寿502号室

thumb_20170119_160113.jpg L_ebis502.jpg

【定 員】1日5名まで(同伴者2名まで可)

【内 容】セミナー形式ではなく個人的に相談や質問をしたいという要望に応えるために用意したプログラムです。読書療法を試みても腰痛治療セミナーを受講してもいまひとつ改善しない方、まだまだ疑問点がある方、心理・社会的危険因子を取り除く方法をレベルアップしたい方、個人的な問題についてじっくり話し合いたい方、不安や孤独にさいなまれている方、ゆっくり世間話をしたい方などが対象となります。

臨機応変に対応させていただきますが、1セッション1時間20分と限られているため(連続2コマの予約も可)、レコーダーをお持ちの方はどうぞご遠慮なく会話を録音してください。

posted by 長谷川 淳史 at 23:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月27日

根拠に基づく腰痛治療―27―

■腰痛の予防法に関する20件のランダム化比較試験を分析した結果、腰痛ベルト・靴の中敷き・人間工学的介入・重量物挙上軽減教育に効果はなく、運動療法のみが腰痛とそれによる欠勤を予防できるという強力かつ一貫性のある証拠を発見。http://1.usa.gov/vi52lt

■1966年〜1993年の間に発表された腰痛予防に関する64件のランダム化比較試験(RCT)を分析した体系的レビューによると、運動に予防効果はあるものの、正しい物の持ち上げ方の教育・コルセット・禁煙・減量は無効であることが判明。http://1.usa.gov/rUhxaG

■職場における腰痛の予防をテーマにしたランダム化比較試験(RCT)を分析した体系的レビューによると、職場での運動は腰痛の予防に効果的だったが、コルセット(サポートベルト)や生体力学に基づく教育的介入は腰痛を予防できないことが判明。http://1.usa.gov/sJTnPJ

■頚部痛と腰痛の予防をテーマにした27件の比較試験を分析した体系的レビューによると、教育的介入(腰痛教室)、コルセット、人間工学的介入、危険因子の修正に予防効果は確認できなかったものの、運動だけがその有効性を証明できた。http://1.usa.gov/sQ19b6

■職場における腰痛予防に関する31件の比較試験を分析した体系的レビューによると、運動は腰痛による欠勤、医療費、発症率を減少させ、従業員の腰痛予防に有効であることが判明すると同時に、集学的介入には疼痛軽減効果が確認された。http://1.usa.gov/savytC

■荷役作業従事者の腰痛予防をテーマにしたランダム化比較試験とコホート研究を分析した体系的レビューによると、重量物の持ち上げ方に関するアドバイスやサポートベルトに腰痛予防効果はなく腰痛による活動障害も欠勤も減少せずと結論。http://1.usa.gov/sDGpce

■腰痛予防に関する体系的レビューの結果、柔軟体操、ウイリアム体操、マッケンジー法などの運動療法には筋力・持久力・柔軟性向上以上の利点があり、動作や活動に対する自信、損傷に対する恐怖心、疼痛の捉え方を変化させる可能性あり。http://1.usa.gov/vi52lt

■椎間板変性疾患というレッテルは科学的根拠のある診断名ではない。椎間板に異常があってもほとんどの患者は手術をしなくても回復するため、手術は優先順位の低い選択肢と考えて保存療法で症状が改善しないごく一部の患者に限定すべき。http://1.usa.gov/sJxrHg

■一般住民3,529名を対象にマルチスライスCTで腰部の椎間関節症(OA)と腰痛との関連を調査した結果、椎間関節症の検出率は年齢とともに上昇したものの、いずれの椎間レベルにおいても腰痛との間に関連は見出せなかった。http://1.usa.gov/ucUd13

■慢性筋骨格系疼痛・うつ病・不安障害の間には強い関連がある。精神疾患の併存は過去3ヶ月の活動障害日数と関連し、疼痛のみでは18.1日、疼痛+不安障害は32.2日、疼痛+うつ病は38日、疼痛+うつ病+不安障害は42.6日。http://1.usa.gov/vndBSW

posted by 長谷川 淳史 at 09:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月26日

腰痛治療の新常識―393―

2ヶ月以上病欠中の慢性腰痛患者975名を対象に教育プログラム群と標準的治療群を比較したRCT(ランダム化比較試験)によると、200日後における復職率は前者が70%だったのに対して後者は40%だった。新たな腰痛概念に基づくアドバイスはきわめて有効。http://1.usa.gov/TYcE2e

従来の常識を忘れて活動を再開しても危険はないこと、腰をかばって薄氷の上を歩くように恐る恐る歩かないこと、これまでに学んだ人間工学的に正しい腰の使い方を忘れること、むしろ身体を動かすと治癒が促進されることを教えるだけで従来の治療をはるかに凌ぐ成績が得られました。この効果は3年後も依然として保たれていたといいます。国際腰椎学会で最優秀論文賞を受賞した研究ですから、この事実を知らないか適切なアドバイスができない医療関係者は腰痛患者から手を引くべきです。治癒の妨げになります。

国民の利益になるかもしれません。もしご迷惑でなければ「シェア」をお願い致したく存じます。いちいち承諾を得る必要もなければ、TMSジャパンも愚拙の名前も出す必要はありませんので、SNSはもちろんブログやサイトに引用先のURLごとコピー&ペーストして、情報の拡散にお力を貸していただけると幸甚でございます。

posted by 長谷川 淳史 at 23:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

DVDのご案内

腰痛治療セミナー『TMSジャパン・メソッド』・講演会『根拠に基づく腰痛治療入門』・特別講演会『健康は情報で決まる』を収録したDVDをご用意しております。会場まで来られない方はぜひこのDVDをご利用ください。

11230720_935276779858862_2338708135941635855_n.jpg  1781932_766265506759991_8430394747588540650_n.jpg

臨床試験で有効性が証明されていないリスク(害)がベネフット(利益)を上回る不適切な医療が横行しているといわれています。現時点で最善の医療を受けられないのは、腰痛患者にとってきわめて不幸な状況といえます。

医療費はもちろん通院費や休職手当まで政府が負担しているヨーロッパやオセアニア諸国では、数年おきに改訂される「腰痛診療ガイドラン」の積極的な導入によって、従来の標準的な治療より治癒率と満足度を上げ、再発率と医療費を低く抑えることに成功しています。

世の中には素晴らしい治療法が星の数ほどあります。しかし同じ土俵で競わせた場合、どの方法がもっとも有効で費用対効果が高いか知りたくはありませんか? 健康情報の真偽の見抜き方をマスターして腰痛にまつわる迷信や神話を一掃してみませんか? 

そろそろ腰痛にまつわる時代遅れの常識を捨て去り、新しくなった腰痛概念を身に付け、腰痛に対して抱いている態度と信念を改め、より効果的で費用のかからない21世紀の治療を始めましょう。ご注文は「DVD販売」のページからどうぞ。

posted by 長谷川 淳史 at 22:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

箴言

人は愛せずして生きることができず、また、愛されずして生きることはできない。

     ―――徳富蘆花


創造的たろうとして脇道にそれてはならない。通常なされていることを観察し、それをよりよくしようと努力すればそれでよい。

     ―――アントニオ・ガウディ


やるべきことはやる。自分がどうなろうとも、いかなる障害、危険、圧力があろうとも。これは人間道徳の基本。

     ―――ジョン・F・ケネディ


勇気とは、恐怖を捨て去ることではない。恐怖にもまさる重要な何かがあると、心に決することである。

     ―――アンブローズ・レッドムーン


最後まで押し通せなかったらやさしさではない。途中でくじけるなら悪人になればいい。やさしさは根性です。

     ―――北野たけし

posted by 長谷川 淳史 at 00:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 言霊(珠玉の箴言集) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月25日

6月の腰痛治療セミナー

6月は仙台に続いて品川でも腰痛治療セミナー『TMSジャパン・メソッド2017』を開催することになりましたので、札幌(3月)・品川(3月&4月)・島根(4月)・大阪(5月)・品川(5月)のスケジュールも併せてお知らせいたします。なお、席に限りがございますので、お申し込みはお早めにお願い申し上げます。

世の中には腰痛や坐骨神経痛の治療法が星の数ほどあるにも関わらず、患者は減るどころか増加の一途を辿っています。なぜなら、不適切な医療が行なわれているからだと世界各国の腰痛診療ガイドラインは指摘しています。

そろそろ腰痛にまつわる時代遅れの常識を捨て去り、新しくなった腰痛概念を身に付け、腰痛に対して抱いている態度と信念を改め、より効果的で費用のかからない21世紀の治療を始めませんか?

すべての治療法を試してみるほど人は長生きできません。腰痛疾患でお悩みの方は有効性の確認された治療法で一日も早く治してしまいましょう。医療関係者の方はプロの義務として最新の知見をアップデートし、子孫に負の遺産を残さないためにも根拠に基づく情報の拡散にご協力ください。

TMSジャパン・メソッド

Ver2017.jpg 10004010_712322465457137_2141206101511962166_n.jpg

【内 容】拙著を読んでもまだ回復しない腰痛・下肢痛患者(できれば家族と共に受講するのが望ましい)ならびに医療関係者を対象としたセミナーで、現時点で世界最新の腰痛診療ガイドラインの勧告(サイエンス)とアートを統合した実践的治療プログラムです。

    T 健康を決める力 〜ヘルスリテラシー〜
    U 腰痛の起源 〜過剰な防衛本能〜
    V 腰痛戦略の転換 〜世紀のブレイクスルー〜
    W 攻める医療 〜カウンターアタック〜


受講者特典としてバインダー付きテキストの他にTMSジャパンが販売しているDVDをすべて5千円で提供させていただきます。また、TMSジャパン会員にはご希望によりパワーポイントのデータを無料で差し上げます。こちらにある受講者の声も参考にしていただいて、ぜひ腰痛治療セミナー『TMSジャパン・メソッド』を体験してみてください。

第179回(札幌:先着20名)北海道特別料金
【日 時】2017年3月12日(日)  13:30〜18:00
【会 場】札幌エルプラザ 3F OA研修室(JR札幌駅北口より徒歩3分)

erupuraza.jpg Sapporo-L-Plaza.gif

第180回(東京:先着18名)
【日 時】2017年3月19日(日)  13:30〜18:00
【会 場】品川インターシティホールB1 会議室6 (品川駅港南口より徒歩8分

ea8ea609-09f9-4421-a511-1db247bfe628.jpg 8385da82beed9b48441f4ae32d88b0a9.gif

第181回(東京:先着18名)
【日 時】2017年4月16日(日)  13:30〜18:00
【会 場】品川インターシティホールB1 会議室6 (品川駅港南口より徒歩8分

ea8ea609-09f9-4421-a511-1db247bfe628.jpg 8385da82beed9b48441f4ae32d88b0a9.gif

TMSジャパン・メソッド in 島根(島根:定員70名)N−reha特別料金
【主 催】N−reha
【対 象】 医療関係者限定
【日 時】2017年4月22日(土)  10:00〜17:00
【会 場】ビッグハート出雲 2F 黒のスタジオ (JR出雲市駅南口より徒歩1分)

t_bigheart_main.jpg 2016011211322671.jpg

第182回(大阪:先着30名)
【日 時】2017年5月14日(日)  13:30〜18:00
【会 場】ユーズ・ツウ 3F 会議室D (JR大阪駅桜橋出口より徒歩5分

us2.jpg map1.jpg

第183回(東京:先着18名)
【日 時】2017年5月21日(日)  13:30〜18:00
【会 場】品川インターシティホールB1 会議室6 (品川駅港南口より徒歩8分

ea8ea609-09f9-4421-a511-1db247bfe628.jpg 8385da82beed9b48441f4ae32d88b0a9.gif

第184回(仙台:先着48名)被災地特別料金
【日 時】2017年6月18日(日)  13:30〜18:00
【会 場】仙都会館 4F 会議室 (JR仙台駅よりより徒歩8分

01.jpg map_05.jpg


第185回(東京:先着18名)
【日 時】2017年6月25日(日)  13:30〜18:00
【会 場】品川インターシティホールB1 会議室6 (品川駅港南口より徒歩8分

ea8ea609-09f9-4421-a511-1db247bfe628.jpg 8385da82beed9b48441f4ae32d88b0a9.gif

また、会場まで来られないという方のために腰痛治療セミナーを収録したDVDをご用意しております。選択肢のひとつとして考えていただければ幸いでございます。

posted by 長谷川 淳史 at 23:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 更新履歴 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月24日

腰痛治療の新常識―392―

腰痛疾患で再手術を受けた患者179名を対象とした研究によると、手術の成功率は2回目で45%(20%は悪化)、3回目では25%(25%は悪化)、4回目では15%(45%は悪化)あることが判明。最初の手術が最後のチャンス。http://1.usa.gov/QMz2p0

再手術によって症状が改善しない見込みが50%以上あると聞かされても患者は手術を選択するでしょうか? 医師自身が患者だったらこれほど確率の低い賭けに乗るでしょうか? だからこそ腰椎手術は最初の手術が最後のチャンスだといわれるのです。

国民の利益になるかもしれません。もしご迷惑でなければ「シェア」をお願い致したく存じます。いちいち承諾を得る必要もなければ、TMSジャパンも愚拙の名前も出す必要はありませんので、SNSはもちろんブログやサイトに引用先のURLごとコピー&ペーストして、情報の拡散にお力を貸していただけると幸甚でございます。

posted by 長谷川 淳史 at 12:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

市民公開講座・健康は情報で決まる

2月26日(日)に日本長生医学会旭川支部様の主催で『市民公開講座・健康は情報で決まる―ヘルスリテラシーを高める方法―』と題した講演会を行ないます。

20170226.jpg 11230720_935276779858862_2338708135941635855_n.jpg
 
【主 催】 日本長生医学会旭川支部
【日 時】 2017年2月26日(日) 14:00〜16:00
【会 場】 旭川市ときわ市民ホール 研修室101
【受講料】 1000円(事前申し込み不要・当日会場にて承ります)
【地 図】 北海道旭川市5条通4丁目
お問い合わせはこちら⇒ tulip@muh.biglobe.ne.jp

TMSジャパンの腰痛治療セミナーは必ずヘルスリテラシー(医学・健康情報の真偽を見抜いて有効に活用する能力)から始まります。なぜなら、ヘルスリテラシーが低い人ほど病気に罹りやすく、医療費がかさみ、死亡リスクまで上昇することが科学的に明らかとなっているからです。

その中でフードファディズムについても触れています。科学的根拠の有無にかかわらず、食品や栄養素が与える影響を過大に評価するだけでなく、マスコミ・インターネット・書籍・雑誌で流された「この食品を摂取すると健康になる」「この食品を口にすると病気になる」といった情報を鵜呑みにし、バランスを欠いた偏執的で異常な食行動をとることを指します。

その対象は主に、健康に好影響をもたらし得る食品・有害性が疑われる食品・ダイエット食品・健康食品・ミネラルウォーターなどで、健康被害や詐欺にまつわる報告が年々増加しています。つまりクワッカリー(インチキ療法・健康詐欺・溺れる者に藁を売る商売)の被害者が増えているというわけです。

ではなぜ科学者は声を上げないのでしょう? 誤った情報の拡散を黙って見ている方が、立ち上がって誇大宣伝に立ち向かうより簡単で安全だからです。クワッカリーやトキシックテロリストに反論しようものなら、「悪魔の証明」(ある事実は絶対に存在しないことを証明)を強いられるだけでなく(莫大な費用と途方もない時間がかかる)、凄まじいまでの個人攻撃によって職を失う恐れや、本人はもちろん家族の身にも危険がおよびます。そう考えると、ヘルスリテラシーの中でもっとも巨大な敵はフードファディズムなのかもしれません。

「われ試した」⇒「成功した」⇒「ゆえに効いた」という『三た論法』のトリック、もしくは溢れかえる「誤った医学・健康情報」に振り回されず、健康的で平穏な日常生活を送りたい方は、ぜひお誘い合わせの上お越しください。

posted by 長谷川 淳史 at 00:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月23日

エビデンス取り扱い上の注意

腰痛治療の新常識』と題して、腰痛を中心に筋骨格系疾患の原因と治療に関するエビデンス(科学的根拠)を不定期で紹介していますが、エビデンスを知ったからといって必ずしもよい医療ができるとは限りません。エビデンスを最優先し(俗にいうエビ固め)、それを患者さんに押し付けるのは暴力行為(ドクターハラスメント)です。

279f5608-e1b0-49ea-83bb-7e37182b5059-alert.jpg

そもそもEBM(根拠に基づく医療)の定義は、「エビデンス」「患者の状況」「患者の価値観」「治療者の技」を統合することです。したがって、エビデンスは全体の4分の1でしかないということを肝に銘じていただきたいと思います。エビデンスは必要条件であっても、けっして十分条件ではありません。

愚拙がここで『腰痛治療の新常識』を公開する理由は、腰痛にまつわる迷信や神話に振り回されて腰痛難民になってほしくないからです。また、イギリスとアメリカではメディアリテラシーやヘルスリテラシーを育むために「根拠を尋ねよう」と銘打つキャンペーンが始まっていますが、日本でこのようなキャンペーンを実施するのはおそらく不可能だと思うからです。

医学教育の基礎を築いたウイリアム・オスラーの「医療はサイエンスに支えられたアートである」という言葉を忘れないでいただきたいと思います。どちらに傾くこともなく、常にサイエンス(エビデンス)とアート(患者の状況・患者の価値観・治療者の技量)のバランスを考えていただければ幸いです。

posted by 長谷川 淳史 at 22:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

5月の個人治療プログラム

5月の個人治療プログラムが決まりましたので、3月と4月のスケジュールも併せてお知らせ致します。なお、受け入れ人数に限りがございますのでご予約はお早めにお願い致します。

あらゆる方法を使って腰痛の原因と治療に関するエビデンス(科学的根拠)を紹介していますが、エビデンスだけではより効果的な治療を行なうことはできません。世界各国の腰痛診療ガイドラインが勧告しているように、腰痛疾患ではマンツーマンで膝を突き合わせて話し合うことがきわめて重要です。

そこでTMSジャパンは、腰痛治療セミナーや講演会という形式ではなく、個人的に相談や質問をしたいというご要望にお応えするために、個人治療プログラムという自由に話し合える場を設けています。どうぞお気軽に遊びに来てください。

個人治療プログラム

【日 時】3月14日(火)・15日(水)・16日(木)⇒コンド恵比寿702号室

r_b-2 (1).jpeg xlarge_731e6cc4-e17e-4f1c-ba4e-196d00d07a9b (1).jpg

【定 員】1日5名まで(同伴者2名まで可)

【日 時】4月18日(火)・19日(水)・20日(木)⇒ライオンズマンション小川恵比寿502号室

thumb_20170119_160113.jpg L_ebis502.jpg

【定 員】1日5名まで(同伴者2名まで可)

【日 時】5月16日(火)・17日(水)・18日(木)⇒ライオンズマンション小川恵比寿502号室

thumb_20170119_160113.jpg L_ebis502.jpg

【定 員】1日5名まで(同伴者2名まで可)

【内 容】セミナー形式ではなく個人的に相談や質問をしたいという要望に応えるために用意したプログラムです。読書療法を試みても腰痛治療セミナーを受講してもいまひとつ改善しない方、まだまだ疑問点がある方、心理・社会的危険因子を取り除く方法をレベルアップしたい方、個人的な問題についてじっくり話し合いたい方、不安や孤独にさいなまれている方、ゆっくり世間話をしたい方などが対象となります。

臨機応変に対応させていただきますが、1セッション1時間20分と限られているため(連続2コマの予約も可)、レコーダーをお持ちの方はどうぞご遠慮なく会話を録音してください。

posted by 長谷川 淳史 at 10:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 更新履歴 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月22日

根拠に基づく腰痛治療―26―

■日本の原爆被爆者データベースから先進15ヶ国の画像検査による放射線被曝量と発がんリスクを推計した結果、検査回数も発がんリスクも日本が世界一であることが判明。全がん患者の4.4%(約1万人)が画像検査に起因している可能性あり。http://1.usa.gov/blSDtG

■1回の全身CTによる放射線被曝量は、広島・長崎の爆心地から3.2キロの地点で被爆した生存者とほぼ同じで、がんによる死亡リスクが増加するのは明らか。CTの保有台数は日本が世界一でアメリカの7倍、イギリスの16倍にも達している。http://bit.ly/hyDov1

■レッドフラッグのない腰痛患者に対するルーチンな早期画像検査にメリットのないことは明らかだが、それを一人の患者に説明するのに30〜45分かかるために診療スケジュールが大混乱する。時は金なりが過剰な画像検査の最大の理由。http://1.usa.gov/rpcVg2

■ガイドラインの勧告を無視した根拠のない不適切な診断と治療が急増している。慢性腰痛に対してメディケアが支出した医療費は、硬膜外ブロックが629%増、オピオイド投与が423%増、MRIが307%増、脊椎固定術が220%増。http://1.usa.gov/uvRl1n

■大手民間保険会社の2000年〜2004年までのデータを分析した結果、MRIとCTの実施率は50%以上増加し、PETは400%も増加していたことが判明。費用のかかる高度な画像検査は診療ガイドラインに基づいて行なうべき。http://1.usa.gov/tT81mY

■メディケア受給者を調査した結果、11年間で腰痛患者(132%増)の医療費は387%増加し、2年間でブロック注射の費用は59%、MRIとCTの費用は42%増加。レッドフラッグのない61%がMRIを受けていた。http://1.usa.gov/tWSnmN

■306ヶ所の医療機関からメディケア受給者をランダムに抽出して分析した結果、CTとMRIの実施率は地域によって異なっており、画像検査実施率が最も高い地域は手術実施率も最も高いことが判明。画像検査の妥当性には疑問がある。http://1.usa.gov/u160QN

■画像検査実施率の上昇は、7年間で硬膜外(腰部・仙骨)ブロックの医療費が629%増加したこと、および10年間で椎間関節ブックの医療費が543%増加したことと明らかに関連。http://1.usa.gov/sESMNX http://1.usa.gov/sB7pOe

■腰痛疾患に対するオピオイド(麻薬系鎮痛剤)投与は増加傾向にあるが、オピオイドに関連する死亡者数は5年間で160%増加し、ヘロインとコカインによる総死亡者数を上回っている。http://1.usa.gov/tWT5d4 http://1.usa.gov/ahierm

■この10年で慢性腰痛の画像検査と治療の実施率が急上昇。硬膜外ブロックが629%、オピオイド投与が423%、MRIが307%、脊椎固定術が220%増加したものの治療成績に改善は認められない。不適切な過剰診療は控えるべき。http://1.usa.gov/uvRl1n

posted by 長谷川 淳史 at 08:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月21日

腰痛治療セミナー

札幌(3月)・品川(3月&4月)・島根(4月)・大阪(5月)・品川(5月)・仙台(6月)にて、腰痛治療セミナー『TMSジャパン・メソッド2017』を開催いたします。なお、席に限りがございますので、お申し込みはお早めにお願い申し上げます。

世の中には腰痛や坐骨神経痛の治療法が星の数ほどあるにも関わらず、患者は減るどころか増加の一途を辿っています。なぜなら、不適切な医療が行なわれているからだと世界各国の腰痛診療ガイドラインは指摘しています。

そろそろ腰痛にまつわる時代遅れの常識を捨て去り、新しくなった腰痛概念を身に付け、腰痛に対して抱いている態度と信念を改め、より効果的で費用のかからない21世紀の治療を始めませんか?

すべての治療法を試してみるほど人は長生きできません。腰痛疾患でお悩みの方は有効性の確認された治療法で一日も早く治してしまいましょう。医療関係者の方はプロの義務として最新の知見をアップデートし、子孫に負の遺産を残さないためにも根拠に基づく情報の拡散にご協力ください。

TMSジャパン・メソッド

Ver2017.jpg 10004010_712322465457137_2141206101511962166_n.jpg

【内 容】拙著を読んでもまだ回復しない腰痛・下肢痛患者(できれば家族と共に受講するのが望ましい)ならびに医療関係者を対象としたセミナーで、現時点で世界最新の腰痛診療ガイドラインの勧告(サイエンス)とアートを統合した実践的治療プログラムです。

    T 健康を決める力 〜ヘルスリテラシー〜
    U 腰痛の起源 〜過剰な防衛本能〜
    V 腰痛戦略の転換 〜世紀のブレイクスルー〜
    W 攻める医療 〜カウンターアタック〜


受講者特典としてバインダー付きテキストの他にTMSジャパンが販売しているDVDをすべて5千円で提供させていただきます。また、TMSジャパン会員にはご希望によりパワーポイントのデータを無料で差し上げます。こちらにある受講者の声も参考にしていただいて、ぜひ腰痛治療セミナー『TMSジャパン・メソッド』を体験してみてください。

第179回(札幌:先着20名)北海道特別料金
【日 時】2017年3月12日(日)  13:30〜18:00
【会 場】札幌エルプラザ 3F OA研修室(JR札幌駅北口より徒歩3分)

erupuraza.jpg Sapporo-L-Plaza.gif

第180回(東京:先着18名)
【日 時】2017年3月19日(日)  13:30〜18:00
【会 場】品川インターシティホールB1 会議室6 (品川駅港南口より徒歩8分

ea8ea609-09f9-4421-a511-1db247bfe628.jpg 8385da82beed9b48441f4ae32d88b0a9.gif

第181回(東京:先着18名)
【日 時】2017年4月16日(日)  13:30〜18:00
【会 場】品川インターシティホールB1 会議室6 (品川駅港南口より徒歩8分

ea8ea609-09f9-4421-a511-1db247bfe628.jpg 8385da82beed9b48441f4ae32d88b0a9.gif

TMSジャパン・メソッド in 島根(島根:定員70名)N−reha特別料金
【主 催】N−reha
【対 象】 医療関係者限定
【日 時】2017年4月22日(土)  10:00〜17:00
【会 場】ビッグハート出雲 2F 黒のスタジオ (JR出雲市駅南口より徒歩1分)

t_bigheart_main.jpg 2016011211322671.jpg

第182回(大阪:先着30名)
【日 時】2017年5月14日(日)  13:30〜18:00
【会 場】ユーズ・ツウ 3F 会議室D (JR大阪駅桜橋出口より徒歩5分

us2.jpg map1.jpg

第183回(東京:先着18名)
【日 時】2017年5月21日(日)  13:30〜18:00
【会 場】品川インターシティホールB1 会議室6 (品川駅港南口より徒歩8分

ea8ea609-09f9-4421-a511-1db247bfe628.jpg 8385da82beed9b48441f4ae32d88b0a9.gif

第184回(仙台:先着48名)被災地特別料金
【日 時】2017年6月18日(日)  13:30〜18:00
【会 場】仙都会館 4F 会議室 (JR仙台駅よりより徒歩8分

01.jpg map_05.jpg

また、会場まで来られないという方のために腰痛治療セミナーを収録したDVDをご用意しております。選択肢のひとつとして考えていただければ幸いでございます。

posted by 長谷川 淳史 at 09:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

腰痛治療の新常識―391―

AHCPRの成人の急性腰痛診療ガイドラインに従うとX線画像検査は45%の患者に行なうことになるが、ESR(赤血球血沈降速度)を調べることによって悪性腫瘍の検出能力を落とさずにX線画像検査の実施率を22%に抑えられる。http://1.usa.gov/SlHCjf

アメリカの医療政策研究局が発表した腰痛診療ガイドラインに従うと45%の患者がX線を用いた画像検査が行なわれてしまうという危惧があります。そのような不必要な放射線被曝を避けるには血沈値の測定が有効だという論文ですが、日本の画像検査実施率はほぼ100%です。日本の医療が世界の常識とどれだけかけ離れているかがご理解いただけるかと思います。

国民の利益になるかもしれません。もしご迷惑でなければ「シェア」をお願い致したく存じます。いちいち承諾を得る必要もなければ、TMSジャパンも愚拙の名前も出す必要はありませんので、SNSはもちろんブログやサイトに引用先のURLごとコピー&ペーストして、情報の拡散にお力を貸していただけると幸甚でございます。

posted by 長谷川 淳史 at 00:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月20日

DVDのご案内

腰痛治療セミナー『TMSジャパン・メソッド』・講演会『根拠に基づく腰痛治療入門』・特別講演会『健康は情報で決まる』を収録したDVDをご用意しております。会場まで来られない方はぜひこのDVDをご利用ください。

11230720_935276779858862_2338708135941635855_n.jpg  1781932_766265506759991_8430394747588540650_n.jpg

臨床試験で有効性が証明されていないリスク(害)がベネフット(利益)を上回る不適切な医療が横行しているといわれています。現時点で最善の医療を受けられないのは、腰痛患者にとってきわめて不幸な状況といえます。

医療費はもちろん通院費や休職手当まで政府が負担しているヨーロッパやオセアニア諸国では、数年おきに改訂される「腰痛診療ガイドラン」の積極的な導入によって、従来の標準的な治療より治癒率と満足度を上げ、再発率と医療費を低く抑えることに成功しています。

世の中には素晴らしい治療法が星の数ほどあります。しかし同じ土俵で競わせた場合、どの方法がもっとも有効で費用対効果が高いか知りたくはありませんか? 健康情報の真偽の見抜き方をマスターして腰痛にまつわる迷信や神話を一掃してみませんか? 

そろそろ腰痛にまつわる時代遅れの常識を捨て去り、新しくなった腰痛概念を身に付け、腰痛に対して抱いている態度と信念を改め、より効果的で費用のかからない21世紀の治療を始めましょう。ご注文は「DVD販売」のページからどうぞ。

posted by 長谷川 淳史 at 21:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

市民公開講座・健康は情報で決まる

2月26日(日)に日本長生医学会旭川支部様の主催で『市民公開講座・健康は情報で決まる―ヘルスリテラシーを高める方法―』と題した講演会を行ないます。

20170226.jpg 11230720_935276779858862_2338708135941635855_n.jpg
 
【主 催】 日本長生医学会旭川支部
【日 時】 2017年2月26日(日) 14:00〜16:00
【会 場】 旭川市ときわ市民ホール 研修室101
【受講料】 1000円(事前申し込み不要・当日会場にて承ります)
【地 図】 北海道旭川市5条通4丁目
お問い合わせはこちら⇒ tulip@muh.biglobe.ne.jp

TMSジャパンの腰痛治療セミナーは必ずヘルスリテラシー(医学・健康情報の真偽を見抜いて有効に活用する能力)から始まります。なぜなら、ヘルスリテラシーが低い人ほど病気に罹りやすく、医療費がかさみ、死亡リスクまで上昇することが科学的に明らかとなっているからです。

その中でフードファディズムについても触れています。科学的根拠の有無にかかわらず、食品や栄養素が与える影響を過大に評価するだけでなく、マスコミ・インターネット・書籍・雑誌で流された「この食品を摂取すると健康になる」「この食品を口にすると病気になる」といった情報を鵜呑みにし、バランスを欠いた偏執的で異常な食行動をとることを指します。

その対象は主に、健康に好影響をもたらし得る食品・有害性が疑われる食品・ダイエット食品・健康食品・ミネラルウォーターなどで、健康被害や詐欺にまつわる報告が年々増加しています。つまりクワッカリー(インチキ療法・健康詐欺・溺れる者に藁を売る商売)の被害者が増えているというわけです。

ではなぜ科学者は声を上げないのでしょう? 誤った情報の拡散を黙って見ている方が、立ち上がって誇大宣伝に立ち向かうより簡単で安全だからです。クワッカリーやトキシックテロリストに反論しようものなら、「悪魔の証明」(ある事実は絶対に存在しないことを証明)を強いられるだけでなく(莫大な費用と途方もない時間がかかる)、凄まじいまでの個人攻撃によって職を失う恐れや、本人はもちろん家族の身にも危険がおよびます。そう考えると、ヘルスリテラシーの中でもっとも巨大な敵はフードファディズムなのかもしれません。

「われ試した」⇒「成功した」⇒「ゆえに効いた」という『三た論法』のトリック、もしくは溢れかえる「誤った医学・健康情報」に振り回されず、健康的で平穏な日常生活を送りたい方は、ぜひお誘い合わせの上お越しください。

posted by 長谷川 淳史 at 00:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月19日

箴言

喜んでいる人々は病気になりにくいし、なっても軽い。すぐに自然治癒力を発揮する。

     ―――ポール・ピアソール


いい人生とはプロセスであり、状態ではない。方向であって、目的地ではない。

     ―――カール・ロジャース


知識が増すほど、われわれの無知が明らかになる。

     ―――ジョン・F・ケネディ


世界は苦難に満ちている。また、それを乗り越えることにも満ちている。

     ―――ヘレン・ケラー


相手のために考えてあげる、求めているものは何だろうと考えてあげる、喜ぶものは何だろう、そう考える人がやさしい人だ。

     ―――加藤諦三

posted by 長谷川 淳史 at 00:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 言霊(珠玉の箴言集) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月18日

腰痛治療の新常識―390―

腰痛患者41名と健常者46名を対象に二重盲検法を用いてサーモグラフィー、Spinoscopy、Triaxial dynamometryの診断精度を比較した結果、サーモグラフィーには臨床上の価値がほとんどないことが判明。http://1.usa.gov/NJQgGe

これは腰痛があるのに健康なふりをした群と健康なのに腰痛があるふりをした群に分けて、3つの診断装置が被験者の嘘を見破れるかを比較した興味深い研究です。いずれにしても、サーモグラフィーが腰痛の診断に有効だとするエビデンスはありません。

国民の利益になるかもしれません。もしご迷惑でなければ「シェア」をお願い致したく存じます。いちいち承諾を得る必要もなければ、TMSジャパンも愚拙の名前も出す必要はありませんので、SNSはもちろんブログやサイトに引用先のURLごとコピー&ペーストして、情報の拡散にお力を貸していただけると幸甚でございます。

posted by 長谷川 淳史 at 16:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

重版出来!

お待たせいたしました。本日、『サーノ博士のヒーリング・バックペイン』の第22刷がアマゾンに入荷されました。

ジョン・E・サーノ教授(御歳93)がTMS理論、すなわち筋骨格系疾患は心理社会的疼痛症候群だと提唱したのが1984年。そしてAHCPR(米国医療政策研究局)が『成人の急性腰痛診療ガイドライン』の中で心理社会的因子について触れたのが1994年。ずいぶん時間がかかってしまいましたが、「生物学的(物理的・構造的)損傷」という機械的な原因論から脱却し、さまざまな要因によって生じる「生物・心理・社会的疼痛症候群」へと腰痛概念が転換した、まさにその瞬間を垣間見ることができます。未読の方はぜひお手に取っていただけると幸甚でございます。<(_ _)>

E382B5E383BCE3838EE58D9AE5A3ABE381AEE38392E383BCE383AAE383B3E382B0E383BBE38390E38383E382AFE3839AE382A4E383B3.jpg

本書は、ニューヨーク大学医学部教授ジョン・E・サーノ博士が確立した、「TMS(緊張性筋炎症候群)理論」というまったく新機軸の治療プログラムを紹介したものです。このTMS治療プログラムは、腰痛・肩こり・関節痛・神経痛といった、筋骨格系疾患の治療に有効なだけでなく、心身症といわれる広範囲にわたる病態にも役立つ可能性があります。

1999年夏、アメリカの人気テレビ番組である「20/20」(ABC)と「ラリーキング・ライブ」(CNN)でTMS理論をテーマにした特別番組が放映されるやいなや、視聴者の中からどんな治療を受けても回復しなかった慢性の痛みが治ったという人々が現れました。

インターネット上で世界最大の書店といわれる「アマゾン・ドット・コム」では、本書の原著『Healing Back Pain』が26年間にわたって関連部門で第1位を記録し続けています。もちろんこの本の読者からも読んだだけで慢性の痛みが治ったという報告が世界中から寄せられています。

TMS理論とAHCPR(米国医療政策研究局)の『成人の急性腰痛診療ガイドライン』をまとめた『腰痛は〈怒り〉である』(春秋社)、それに加えてイギリスの腰痛診療ガイドラインをまとめた『腰痛は終わる!』(WAVE出版)、世界で初めて急性腰痛・慢性腰痛・腰痛予防を扱ったヨーロッパガイドラインをまとめた『腰痛ガイドブック』と併せて読まれることをお勧めします。

posted by 長谷川 淳史 at 08:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 更新履歴 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月17日

腰痛治療セミナー

名古屋(2月)・札幌(3月)・品川(3月&4月)・島根(4月)・大阪(5月)・品川(5月)・仙台(6月)にて、腰痛治療セミナー『TMSジャパン・メソッド2017』を開催いたします。なお、席に限りがございますので、お申し込みはお早めにお願い申し上げます。

世の中には腰痛や坐骨神経痛の治療法が星の数ほどあるにも関わらず、患者は減るどころか増加の一途を辿っています。なぜなら、不適切な医療が行なわれているからだと世界各国の腰痛診療ガイドラインは指摘しています。

そろそろ腰痛にまつわる時代遅れの常識を捨て去り、新しくなった腰痛概念を身に付け、腰痛に対して抱いている態度と信念を改め、より効果的で費用のかからない21世紀の治療を始めませんか?

すべての治療法を試してみるほど人は長生きできません。腰痛疾患でお悩みの方は有効性の確認された治療法で一日も早く治してしまいましょう。医療関係者の方はプロの義務として最新の知見をアップデートし、子孫に負の遺産を残さないためにも根拠に基づく情報の拡散にご協力ください。

TMSジャパン・メソッド

Ver2017.jpg 10004010_712322465457137_2141206101511962166_n.jpg

【内 容】拙著を読んでもまだ回復しない腰痛・下肢痛患者(できれば家族と共に受講するのが望ましい)ならびに医療関係者を対象としたセミナーで、現時点で世界最新の腰痛診療ガイドラインの勧告(サイエンス)とアートを統合した実践的治療プログラムです。

    T 健康を決める力 〜ヘルスリテラシー〜
    U 腰痛の起源 〜過剰な防衛本能〜
    V 腰痛戦略の転換 〜世紀のブレイクスルー〜
    W 攻める医療 〜カウンターアタック〜


受講者特典としてバインダー付きテキストの他にTMSジャパンが販売しているDVDをすべて5千円で提供させていただきます。また、TMSジャパン会員にはご希望によりパワーポイントのデータを無料で差し上げます。こちらにある受講者の声も参考にしていただいて、ぜひ腰痛治療セミナー『TMSジャパン・メソッド』を体験してみてください。

第178回(名古屋:先着36名)
【日 時】2017年2月19日(日)  13:30〜18:00
【会 場】ウインクあいち 特別会議室E(名古屋駅から徒歩5分)

img01.jpg winc_aichi_map.gif

第179回(札幌:先着20名)北海道特別料金
【日 時】2017年3月12日(日)  13:30〜18:00
【会 場】札幌エルプラザ 3F OA研修室(JR札幌駅北口より徒歩3分)

erupuraza.jpg Sapporo-L-Plaza.gif

第180回(東京:先着18名)
【日 時】2017年3月19日(日)  13:30〜18:00
【会 場】品川インターシティホールB1 会議室6 (品川駅港南口より徒歩8分

ea8ea609-09f9-4421-a511-1db247bfe628.jpg 8385da82beed9b48441f4ae32d88b0a9.gif

第181回(東京:先着18名)
【日 時】2017年4月16日(日)  13:30〜18:00
【会 場】品川インターシティホールB1 会議室6 (品川駅港南口より徒歩8分

ea8ea609-09f9-4421-a511-1db247bfe628.jpg 8385da82beed9b48441f4ae32d88b0a9.gif

TMSジャパン・メソッド in 島根(島根:定員70名)N−reha特別料金
【主 催】N−reha
【対 象】 医療関係者限定
【日 時】2017年4月22日(土)  10:00〜17:00
【会 場】ビッグハート出雲 2F 黒のスタジオ (JR出雲市駅南口より徒歩1分)

t_bigheart_main.jpg 2016011211322671.jpg

第182回(大阪:先着30名)
【日 時】2017年5月14日(日)  13:30〜18:00
【会 場】ユーズ・ツウ 3F 会議室D (JR大阪駅桜橋出口より徒歩5分

us2.jpg map1.jpg

第183回(東京:先着18名)
【日 時】2017年5月21日(日)  13:30〜18:00
【会 場】品川インターシティホールB1 会議室6 (品川駅港南口より徒歩8分

ea8ea609-09f9-4421-a511-1db247bfe628.jpg 8385da82beed9b48441f4ae32d88b0a9.gif

第184回(仙台:先着48名)被災地特別料金
【日 時】2017年6月18日(日)  13:30〜18:00
【会 場】仙都会館 4F 会議室 (JR仙台駅よりより徒歩8分

01.jpg map_05.jpg

また、会場まで来られないという方のために腰痛治療セミナーを収録したDVDをご用意しております。選択肢のひとつとして考えていただければ幸いでございます。

posted by 長谷川 淳史 at 10:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月16日

根拠に基づく腰痛治療―25―

■腰下肢痛患者に対する早期画像検査(X線・CT・MRI)の有効性に関するRCTを詳細に分析した結果、レッドフラッグのない患者に画像検査を行なっても臨床転帰は改善しないことが判明。医師は腰下肢痛患者の画像検査を控えるべき。http://1.usa.gov/rpcVg2

■腰痛患者101例を早期X線撮影群と教育的介入群に割り付けたRCTの結果、両群間の重篤疾患・改善率・機能障害・満足度に差は認められなかったことから、患者の不安・不満・機能障害を招かずにX線撮影をやめて医療費の削減は可能。http://1.usa.gov/qlCXOP

■腰痛患者782名を対象としたMRIかCTを早期に使用した場合の臨床転帰と費用対効果に関するRCTでは、早期画像検査による臨床転帰の改善は認められず費用対効果が低いことが判明。X線撮影だけでなくMRIやCTも役立たない。http://1.usa.gov/s0OkVE

■腰痛患者380名をX線撮影群とMRI群に割り付けて臨床転帰を比較したランダム化比較試験によると、両群間の活動障害・改善率・再発頻度などに差は認められなかった。医師も患者もMRIを好むが手術件数が増えて医療費が高騰する。http://1.usa.gov/sxB3et

■腰痛患者421名を対象に腰部X線撮影群と非撮影群を9ヶ月間追跡したRCTによると、両群間の治療成績に差は認められなかったものの、X線撮影群は治療への満足度が高かった。医師はX線撮影に頼らず満足度の向上を目指すべき。http://1.usa.gov/uLyME9

■腰痛患者659名をX線撮影群と非撮影群に割り付けて1年間追跡したランダム化比較試験の結果、両群間の身体機能・疼痛・活動障害の改善率に差は認められなかった。ガイドラインは腰痛患者の腰部X線撮影を避けるよう勧告している。http://1.usa.gov/rrG6so

■腰下肢痛患者246名を対象にMRI所見と保存療法の治療成績について2年間追跡した結果、椎間板ヘルニアは腰痛患者の57%、下肢痛患者の65%に検出されたものの、治療成績とヘルニアのタイプ、大きさ、活動障害は無関係だった。http://1.usa.gov/tZmk9p

■米国ではCTやMRIによる画像検査は5年間で43%増加し、PETスキャンに至っては4年間で3倍に増加。民間の大手保険会社はこうした医療費の高騰を抑えるために放射線ベネフィットマネージャーを使って医療調査を開始した。http://on.wsj.com/uhkJdN

■NCRP(米国放射線防護審議会)によると、2006年に米国民が被曝した放射線量は1980年代初頭の7倍に達した。主な原因はCTや核医学検査の増加によるもので、これらの画像検査による放射線被曝は医療被曝全体の75%を占める。http://bit.ly/tyisnE

■医療行為の中で必要のない画像検査が行なわれているのは事実。CTによる放射線被曝だけでも米国で発症するがんの2%の原因になっている。リスクとベネフィットを考えると不適切なCTやX線撮影を制限することで生命を救える可能性がある。http://bit.ly/hyDov1

posted by 長谷川 淳史 at 00:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

DVDのご案内

腰痛治療セミナー『TMSジャパン・メソッド』・講演会『根拠に基づく腰痛治療入門』・特別講演会『健康は情報で決まる』を収録したDVDをご用意しております。会場まで来られない方はぜひこのDVDをご利用ください。

11230720_935276779858862_2338708135941635855_n.jpg  1781932_766265506759991_8430394747588540650_n.jpg

臨床試験で有効性が証明されていないリスク(害)がベネフット(利益)を上回る不適切な医療が横行しているといわれています。現時点で最善の医療を受けられないのは、腰痛患者にとってきわめて不幸な状況といえます。

医療費はもちろん通院費や休職手当まで政府が負担しているヨーロッパやオセアニア諸国では、数年おきに改訂される「腰痛診療ガイドラン」の積極的な導入によって、従来の標準的な治療より治癒率と満足度を上げ、再発率と医療費を低く抑えることに成功しています。

世の中には素晴らしい治療法が星の数ほどあります。しかし同じ土俵で競わせた場合、どの方法がもっとも有効で費用対効果が高いか知りたくはありませんか? 健康情報の真偽の見抜き方をマスターして腰痛にまつわる迷信や神話を一掃してみませんか? 

そろそろ腰痛にまつわる時代遅れの常識を捨て去り、新しくなった腰痛概念を身に付け、腰痛に対して抱いている態度と信念を改め、より効果的で費用のかからない21世紀の治療を始めましょう。ご注文は「DVD販売」のページからどうぞ。

posted by 長谷川 淳史 at 00:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月15日

腰痛治療の新常識―389―

脊椎分離症または脊椎分離辷り症のあるアスリートを約5年間追跡調査した結果、連日の過酷なトレーニングにもかかわらず症状を訴えた者は皆無だった。若者にアスリートの道を諦めさせたり激しい運動をさけさせたりする必要はない。http://1.usa.gov/NJNbpB

これはハンドボール、バスケットボール、バレーボール、体操選手、陸上選手を対象とした研究ですが、脊椎分離症または脊椎分離辷り症のある一流バレエダンサーも腰痛発症率に差はないことが明らかになっています。分離症や辷り症を恐れる必要はありません。

国民の利益になるかもしれません。もしご迷惑でなければ「シェア」をお願い致したく存じます。いちいち承諾を得る必要もなければ、TMSジャパンも愚拙の名前も出す必要はありませんので、SNSはもちろんブログやサイトに引用先のURLごとコピー&ペーストして、情報の拡散にお力を貸していただけると幸甚でございます。

posted by 長谷川 淳史 at 01:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月14日

市民公開講座・健康は情報で決まる

2月26日(日)に日本長生医学会旭川支部様の主催で『市民公開講座・健康は情報で決まる―ヘルスリテラシーを高める方法―』と題した講演会を行ないます。

20170226.jpg 11230720_935276779858862_2338708135941635855_n.jpg
 
【主 催】 日本長生医学会旭川支部
【日 時】 2017年2月26日(日) 14:00〜16:00
【会 場】 旭川市ときわ市民ホール 研修室101
【受講料】 1000円(事前申し込み不要・当日会場にて承ります)
【地 図】 北海道旭川市5条通4丁目
お問い合わせはこちら⇒ tulip@muh.biglobe.ne.jp

TMSジャパンの腰痛治療セミナーは必ずヘルスリテラシー(医学・健康情報の真偽を見抜いて有効に活用する能力)から始まります。なぜなら、ヘルスリテラシーが低い人ほど病気に罹りやすく、医療費がかさみ、死亡リスクまで上昇することが科学的に明らかとなっているからです。

その中でフードファディズムについても触れています。科学的根拠の有無にかかわらず、食品や栄養素が与える影響を過大に評価するだけでなく、マスコミ・インターネット・書籍・雑誌で流された「この食品を摂取すると健康になる」「この食品を口にすると病気になる」といった情報を鵜呑みにし、バランスを欠いた偏執的で異常な食行動をとることを指します。

その対象は主に、健康に好影響をもたらし得る食品・有害性が疑われる食品・ダイエット食品・健康食品・ミネラルウォーターなどで、健康被害や詐欺にまつわる報告が年々増加しています。つまりクワッカリー(インチキ療法・健康詐欺・溺れる者に藁を売る商売)の被害者が増えているというわけです。

ではなぜ科学者は声を上げないのでしょう? 誤った情報の拡散を黙って見ている方が、立ち上がって誇大宣伝に立ち向かうより簡単で安全だからです。クワッカリーやトキシックテロリストに反論しようものなら、「悪魔の証明」(ある事実は絶対に存在しないことを証明)を強いられるだけでなく(莫大な費用と途方もない時間がかかる)、凄まじいまでの個人攻撃によって職を失う恐れや、本人はもちろん家族の身にも危険がおよびます。そう考えると、ヘルスリテラシーの中でもっとも巨大な敵はフードファディズムなのかもしれません。

「われ試した」⇒「成功した」⇒「ゆえに効いた」という『三た論法』のトリック、もしくは溢れかえる「誤った医学・健康情報」に振り回されず、健康的で平穏な日常生活を送りたい方は、ぜひお誘い合わせの上お越しください。

posted by 長谷川 淳史 at 15:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

腰痛治療セミナー

名古屋(2月)・札幌(3月)・品川(3月&4月)・島根(4月)・大阪(5月)・品川(5月)・仙台(6月)にて、腰痛治療セミナー『TMSジャパン・メソッド2017』を開催いたします。なお、席に限りがございますので、お申し込みはお早めにお願い申し上げます。

世の中には腰痛や坐骨神経痛の治療法が星の数ほどあるにも関わらず、患者は減るどころか増加の一途を辿っています。なぜなら、不適切な医療が行なわれているからだと世界各国の腰痛診療ガイドラインは指摘しています。

そろそろ腰痛にまつわる時代遅れの常識を捨て去り、新しくなった腰痛概念を身に付け、腰痛に対して抱いている態度と信念を改め、より効果的で費用のかからない21世紀の治療を始めませんか?

すべての治療法を試してみるほど人は長生きできません。腰痛疾患でお悩みの方は有効性の確認された治療法で一日も早く治してしまいましょう。医療関係者の方はプロの義務として最新の知見をアップデートし、子孫に負の遺産を残さないためにも根拠に基づく情報の拡散にご協力ください。

TMSジャパン・メソッド

Ver2017.jpg 10004010_712322465457137_2141206101511962166_n.jpg

【内 容】拙著を読んでもまだ回復しない腰痛・下肢痛患者(できれば家族と共に受講するのが望ましい)ならびに医療関係者を対象としたセミナーで、現時点で世界最新の腰痛診療ガイドラインの勧告(サイエンス)とアートを統合した実践的治療プログラムです。

    T 健康を決める力 〜ヘルスリテラシー〜
    U 腰痛の起源 〜過剰な防衛本能〜
    V 腰痛戦略の転換 〜世紀のブレイクスルー〜
    W 攻める医療 〜カウンターアタック〜


受講者特典としてバインダー付きテキストの他にTMSジャパンが販売しているDVDをすべて5千円で提供させていただきます。また、TMSジャパン会員にはご希望によりパワーポイントのデータを無料で差し上げます。こちらにある受講者の声も参考にしていただいて、ぜひ腰痛治療セミナー『TMSジャパン・メソッド』を体験してみてください。

第178回(名古屋:先着36名)
【日 時】2017年2月19日(日)  13:30〜18:00
【会 場】ウインクあいち 特別会議室E(名古屋駅から徒歩5分)

img01.jpg winc_aichi_map.gif

第179回(札幌:先着20名)北海道特別料金
【日 時】2017年3月12日(日)  13:30〜18:00
【会 場】札幌エルプラザ 3F OA研修室(JR札幌駅北口より徒歩3分)

erupuraza.jpg Sapporo-L-Plaza.gif

第180回(東京:先着18名)
【日 時】2017年3月19日(日)  13:30〜18:00
【会 場】品川インターシティホールB1 会議室6 (品川駅港南口より徒歩8分

ea8ea609-09f9-4421-a511-1db247bfe628.jpg 8385da82beed9b48441f4ae32d88b0a9.gif

第181回(東京:先着18名)
【日 時】2017年4月16日(日)  13:30〜18:00
【会 場】品川インターシティホールB1 会議室6 (品川駅港南口より徒歩8分

ea8ea609-09f9-4421-a511-1db247bfe628.jpg 8385da82beed9b48441f4ae32d88b0a9.gif

TMSジャパン・メソッド in 島根(島根:定員70名)N−reha特別料金
【主 催】N−reha
【対 象】 医療関係者限定
【日 時】2017年4月22日(土)  10:00〜17:00
【会 場】ビッグハート出雲 2F 黒のスタジオ (JR出雲市駅南口より徒歩1分)

t_bigheart_main.jpg 2016011211322671.jpg

第182回(大阪:先着30名)
【日 時】2017年5月14日(日)  13:30〜18:00
【会 場】ユーズ・ツウ 3F 会議室D (JR大阪駅桜橋出口より徒歩5分

us2.jpg map1.jpg

第183回(東京:先着18名)
【日 時】2017年5月21日(日)  13:30〜18:00
【会 場】品川インターシティホールB1 会議室6 (品川駅港南口より徒歩8分

ea8ea609-09f9-4421-a511-1db247bfe628.jpg 8385da82beed9b48441f4ae32d88b0a9.gif

第184回(仙台:先着48名)被災地特別料金
【日 時】2017年6月18日(日)  13:30〜18:00
【会 場】仙都会館 4F 会議室 (JR仙台駅よりより徒歩8分

01.jpg map_05.jpg

また、会場まで来られないという方のために腰痛治療セミナーを収録したDVDをご用意しております。選択肢のひとつとして考えていただければ幸いでございます。

posted by 長谷川 淳史 at 00:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月13日

個人治療プログラム

あらゆる方法を使って腰痛の原因と治療に関するエビデンス(科学的根拠)を紹介していますが、エビデンスだけではより効果的な治療を行なうことはできません。世界各国の腰痛診療ガイドラインが勧告しているように、腰痛疾患ではマンツーマンで膝を突き合わせて話し合うことがきわめて重要です。

そこでTMSジャパンは、腰痛治療セミナーや講演会という形式ではなく、個人的に相談や質問をしたいというご要望にお応えするために、個人治療プログラムという自由に話し合える場を設けています。どうぞお気軽に遊びに来てください。

個人治療プログラム

【日 時】2月14日(火)・15日(水)・16日(木)⇒コンド恵比寿702号室(受付終了)

r_b-2 (1).jpeg xlarge_731e6cc4-e17e-4f1c-ba4e-196d00d07a9b (1).jpg

【定 員】1日5名まで(同伴者1名まで可)

【日 時】3月14日(火)・15日(水)・16日(木)⇒コンド恵比寿702号室

r_b-2 (1).jpeg xlarge_731e6cc4-e17e-4f1c-ba4e-196d00d07a9b (1).jpg

【定 員】1日5名まで(同伴者1名まで可)

【日 時】4月18日(火)・19日(水)・20日(木)⇒コンド恵比寿702号室

r_b-2 (1).jpeg xlarge_731e6cc4-e17e-4f1c-ba4e-196d00d07a9b (1).jpg

【定 員】1日5名まで(同伴者1名まで可)

【内 容】セミナー形式ではなく個人的に相談や質問をしたいという要望に応えるために用意したプログラムです。本を読んでも改善しないので他にどんな治療戦略があるのかを知りたい方、症状が強くて「腰痛治療セミナー」に出席できない方、大勢の人と一緒ではなく一対一で「腰痛治療セミナー」を受講したい方、「腰痛治療セミナー」を受講したけれどもまだ詳しく知りたいことがある方、抱えている個人的問題について一緒に考えたい方、ゆっくり世間話をしたい方などが対象となります。

臨機応変に対応させていただきますが、1セッション1時間20分と限られているため(連続2コマの予約も可)、レコーダーをお持ちの方はどうぞご遠慮なく会話を録音してください。

posted by 長谷川 淳史 at 17:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

エビデンス取り扱い上の注意

腰痛治療の新常識』と題して、腰痛を中心に筋骨格系疾患の原因と治療に関するエビデンス(科学的根拠)を不定期で紹介していますが、エビデンスを知ったからといって必ずしもよい医療ができるとは限りません。エビデンスを最優先し(俗にいうエビ固め)、それを患者さんに押し付けるのは暴力行為(ドクターハラスメント)です。

exclampt1.png

そもそもEBM(根拠に基づく医療)の定義は、「エビデンス」「患者の状況」「患者の価値観」「治療者の技」を統合することです。したがって、エビデンスは全体の4分の1でしかないということを肝に銘じていただきたいと思います。エビデンスは必要条件であっても、けっして十分条件ではありません。

愚拙がここで『腰痛治療の新常識』を公開する理由は、腰痛にまつわる迷信や神話に振り回されて腰痛難民になってほしくないからです。また、イギリスとアメリカではメディアリテラシーやヘルスリテラシーを育むために「根拠を尋ねよう」と銘打つキャンペーンが始まっていますが、日本でこのようなキャンペーンを実施するのはおそらく不可能だと思うからです。

医学教育の基礎を築いたウイリアム・オスラーの「医療はサイエンスに支えられたアートである」という言葉を忘れないでいただきたいと思います。どちらに傾くこともなく、常にサイエンス(エビデンス)とアート(患者の状況・患者の価値観・治療者の技量)のバランスを考えていただければ幸いです。

posted by 長谷川 淳史 at 00:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

腰痛治療の新常識―388―

老人専門病院のナースを対象に運動プログラムの腰痛予防効果を調査したRCT(ランダム化比較試験)によると、13ヶ月後の腰痛による欠勤日数はトレーニング群で28日、対照群で155日だった。運動には腰痛を予防する効果がある。http://1.usa.gov/OOV5d3

この論文では腰痛による看護師の欠勤を減らすために運動を強く勧めていますけど、腰痛はけっして職業病ではありません。この点は誤解のないようにお願いします。身体に負荷のかかる職業ほど腰痛発症率が低いのです。

国民の利益になるかもしれません。もしご迷惑でなければ「シェア」をお願い致したく存じます。いちいち承諾を得る必要もなければ、TMSジャパンも愚拙の名前も出す必要はありませんので、SNSはもちろんブログやサイトに引用先のURLごとコピー&ペーストして、情報の拡散にお力を貸していただけると幸甚でございます。

posted by 長谷川 淳史 at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月12日

箴言

私が平素、心がけていることは、小さな喜びをできるだけ大きく感じ取れるような自分になること。

     ―――鍵山秀三郎


自分が不完全であることを認める勇気が必要だ。人間は不完全だから努力するのである。

     ―――アルフレッド・アドラー


僕が知っている「ドーピング」はただひとつ、努力だけだ。

     ―――ロベルト・バッジョ


知って知らずとするは上なり。知らずして知るとするは病(へい)なり。

     ―――老子


空はどこに行っても青いということを知るために、世界をまわって見る必要はない。

     ―――ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ

posted by 長谷川 淳史 at 00:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 言霊(珠玉の箴言集) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

DVDのご案内

腰痛治療セミナー『TMSジャパン・メソッド』・講演会『根拠に基づく腰痛治療入門』・特別講演会『健康は情報で決まる』を収録したDVDをご用意しております。会場まで来られない方はぜひこのDVDをご利用ください。

11230720_935276779858862_2338708135941635855_n.jpg  1781932_766265506759991_8430394747588540650_n.jpg

臨床試験で有効性が証明されていないリスク(害)がベネフット(利益)を上回る不適切な医療が横行しているといわれています。現時点で最善の医療を受けられないのは、腰痛患者にとってきわめて不幸な状況といえます。

医療費はもちろん通院費や休職手当まで政府が負担しているヨーロッパやオセアニア諸国では、数年おきに改訂される「腰痛診療ガイドラン」の積極的な導入によって、従来の標準的な治療より治癒率と満足度を上げ、再発率と医療費を低く抑えることに成功しています。

世の中には素晴らしい治療法が星の数ほどあります。しかし同じ土俵で競わせた場合、どの方法がもっとも有効で費用対効果が高いか知りたくはありませんか? 健康情報の真偽の見抜き方をマスターして腰痛にまつわる迷信や神話を一掃してみませんか? 

そろそろ腰痛にまつわる時代遅れの常識を捨て去り、新しくなった腰痛概念を身に付け、腰痛に対して抱いている態度と信念を改め、より効果的で費用のかからない21世紀の治療を始めましょう。ご注文は「DVD販売」のページからどうぞ。

posted by 長谷川 淳史 at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月10日

根拠に基づく腰痛治療―24―

■脊椎固定術を受けた労災患者185名を対象とした後ろ向きコホート研究によると、41%がQOLに変化がないか悪化した。再手術率は24%、長期活動障害率は25%、癒合率は74%。転帰不良の予測因子は心理・社会・経済的因子。http://1.usa.gov/o59zzE

■画像検査、ブロック注射、オピオイド投与、手術実施率が上昇しているにも関わらず、脊椎疾患は雪ダルマ式に膨れ上がっている。ことに慢性腰痛の発症率が上昇しているのは深刻な問題。http://1.usa.gov/q4khKD http://1.usa.gov/px009V

■2001年以降、疼痛を脈拍・体温・呼吸数・血圧に次ぐ5番目のバイタルサインとして日常的に評価しようとする動きがある。しかし、腰痛疾患を対象とした場合は、医療の対象化・過剰検査・過剰治療という悪影響を生じる可能性が高い。http://1.usa.gov/rpSmeO

■退役軍人医療センターで疼痛評価を導入する前後の臨床転帰を比較した結果、疼痛を5番目のバイタルサインとして日常的に評価しても疼痛治療の質は向上しなかった。疼痛評価が臨床転帰に影響を与えるというエビデンスはほとんどない。http://1.usa.gov/pYo6OL

■疼痛を5番目のバイタルサインとして数値化することでいくつかの問題点が浮上している。このプログラムを導入したことによって術後患者に対する鎮痛薬の過剰投与が生じ、疼痛は完全に除去すべきという方向へ振り子が大きく振れた。http://1.usa.gov/mUGmFr

■疼痛を5番目のバイタルサインとして日常的に数値化する方法をがんセンターで採用した結果、患者の満足度は向上したものの、オピオイドによる副作用が2倍以上に増加した。疼痛を最重要視するのは患者の生命を危険にさらすことになる。http://1.usa.gov/rpRyjj

■疼痛を5番目のバイタルサインとして疼痛スケールで評価すると、薬の過剰投与に気づかないばかりか投与不足を過度に強調してしまう。このバランスの悪さが鎮静剤と麻薬のさらなる過剰投与を招き、患者の死亡や活動障害の原因となる。http://1.usa.gov/nRF75X

■小児期に体験した不幸な出来事(交通事故による入院・親の死亡・両親の離婚・親のアルコール依存・貧困家庭)が壮年期における広範囲な慢性疼痛の予測因子であることが判明。トラウマとなるような体験は慢性疼痛の発症と重症度に関連。http://1.usa.gov/nePOkk

■小児期に虐待(身体的・精神的・性的)やネグレクト(育児放棄)を経験した者は、それらを経験していない者より成人してから慢性疼痛を訴える傾向があることがメタ分析によって明らかとなる。虐待は慢性疼痛のリスクファクターである。http://1.usa.gov/nqfkEH

■過去の不幸な出来事は明らかに慢性腰痛の危険因子ではあるが、両者間にU字曲線が見られたことから軽度の逆境体験は保護的に働く可能性が浮上。軽度の逆境体験者は慢性腰痛による疼痛障害が小さく医療の利用率も低いことが判明。http://1.usa.gov/ol0hCX

posted by 長谷川 淳史 at 21:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする