2007年01月31日

テレビ収録騒動記(2)

前回の続きである。2日ほど経過していたので、少しは冷静になって書いたつもりなのだが・・・。

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今回は、日帰り打ち合わせまでの経緯を説明します。

日本テレビから事務局の工藤へ連絡が入ったのは、仙台から戻った翌日の10月10日でした。「取材依頼」ということでしたので、また面倒なことになるな、と思ってしまいました。なぜなら、これまで「特命リサーチ200X」から3回、つい先日も「発掘! あるある大事典」から2回目の取材を受け、とても屈辱的な扱いを受けたからです。

ところが今回は、取材を飛び越えて番組出演の依頼でした。Eさんという女性ディレクターから電話があり「日本テレビで健康特番を制作するのですが、TMS理論を紹介するという形でご出演いただけないでしょうか」という単刀直入なものでした。

「まず誤解を解いておきましょう。TMS理論は20年以上も昔の理論であって、今ではそれほど優れた理論だとは考えていません。というのも、TMS理論にはいくつかの欠点がありますし、現在の医学はもっともっと進歩していて、腰痛に対するアプローチは劇的に変化してるんです。それに、これまで何度も何度も時間を割いて、誠心誠意お話させてもらいましたけど、結局テレビ局側に理解してもらったことは一度もありませんし、バラエティ番組で誤った情報を垂れ流す片棒を担ぐ気もありません。ですから、ありがたいお話だとは思いますけど、お断りさせていただきます。ただし、別撮りで事実だけを正確に伝えることができれば考えてみますけど」

「番組には椎間板ヘルニアのレーザー手術で有名なM先生もお呼びする予定です。どうしてもダメでしょうか」

「番組製作会社にリサーチする時間がないのはよく理解しているつもりですけど、世界各国の腰痛診療ガイドラインも、厚生労働省が出した椎間板ヘルニア診療ガイドラインも、レーザー手術は推奨しないという勧告を出しています。有名だからとか、医学博士だからとか、そういう理由だけで根拠の乏しい治療法を宣伝する番組には出たくないと僕はいっているんですよ。総理大臣が出てこようが大統領が出てこようが、僕にはまったく興味がありません」

「こんな治療法もあるということを紹介する、この番組の趣旨をご理解いただけないでしょうか」

「今まで何度もそういう言葉を聞いてきました。それはそれでいいと思うんです。ただし、エビデンスに裏打ちされた治療法、国際基準の診療ガイドラインが勧告している治療法をまず紹介してください。その上で、その他にもこういう治療法があるというなら話は別です。そうでないのなら、国民に有害な情報を垂れ流すだけです。そのお手伝いはできません」

第1回目のコンタクトではこういう内容でした。そして数日後、2回目の電話がありました。

「スタジオでのご出演は100%ダメということでしょうか」

「100%とはいいませんけど、できるだけ避けたいです。人様にお見せできるような顔もしてませんしね。何よりも大事なことは、国民に正確な情報、真実を伝えるということです。オーストラリアのメディアキャンペーンでは、真実を伝えただけで腰痛患者も医療費も減少しました。メディアにはこれだけの力があるんです。僕はそのメディアの力を国民のために使ってもらえないかとお願いしてるんですよ。視聴率も大切でしょうけど、国民の利益を考えてみる気はないかと言ってるんです」

「それではもう少し詳しいお話をお伺いしたいので、お忙しいところ誠に恐縮ですが、一度東京へ来ていただくことは可能でしょうか。もちろん交通費はこちらで負担させていただきます」

「そうですね。その方がいいと思います。今現在、世界で起きている腰痛革命を説明するには、電話よりも直接会って、僕のプレゼンを見た方が理解してもらえると思います。放送コードに触れない顔かも確認できますしね。その上で僕を出演させるかどうかを考えてください」

ということで、日帰りで汐留の日本テレビへ行ってきたというわけです。日本テレビでは、世界最新の腰痛診療ガイドラインを紹介し、EBMとは何か、サイエンスとアートのバランスの重要性などを、飲まず食わずで話してきました。

ブログにも書いたように、Eさんはビデオを撮りながら熱心に話を聴いてくださいましたが、途中からNさんという男性ディレクターが加わり、どんどん話がややこしくなって行きました。

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最初の方に出てきた、「発掘!あるある大事典」(関西テレビ)の取材のいい加減さと、放映された番組内容のデタラメぶりを整形外科医の小島央先生に伝えたところ、関西テレビの関係者に抗議してくれたというわけである。

今さら指摘するのも何だが、「発掘!あるある大事典」がどんな番組かは、このサイトを見れば一目瞭然である。ここの管理人はこんな本まで出している。



それはさておき、汐留の日本テレビタワーは新橋駅に直結した地上32階建の高層ビルで、厳しいセキュリティチェックを通り抜け、たしか28階のスポーツ・情報局フロアに通されたと記憶している。

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【日本テレビタワー】

奇しくも地上32階建の品川インターシティA棟28階のオフィスと同じ階である。もしこの高さに慣れていなかったらびびって失禁するところだった。しかし、向かいにそびえ立つ地上48階建の超高層ビルであるところの電通本社の迫力には圧倒されてしまい、どうにもこうにも、なにがなんだか、もうダメだと思った。

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【電通本社ビル】
posted by 長谷川 淳史 at 16:04| 医療システム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする