2017年06月24日

根拠に基づく腰痛治療―46―

■ケベック特別調査委員会の『むち打ち関連障害の診療ガイドライン』は、「グレード1」と「グレード2」のWAD(むち打ち関連障害)患者に対して、できるだけ早く通常活動を再開するよう積極的に勧めるべきだと勧告している。http://1.usa.gov/QPlACu

■現在のX線所見の報告書(椎間板変性・分離症・分離辷り症・二分脊椎・腰仙移行椎・ショイエルマン病)は患者を不安にさせ、不必要な活動制限や思い込み、不必要な治療へと追い込む恐れがあるため、挿入文を追記することを推奨する。http://1.usa.gov/X086so

■インターネット上の腰痛情報に関する体系的レビューによると、根拠に基づく情報を提供しているウェブサイトはごくわずかでしかなく、その大部分は腰痛関連商品や治療サービスの広告だった。患者が科学的情報と広告を区別するのは困難。http://1.usa.gov/Ul7is7

■坐骨神経痛患者183名を対象に安静臥床の有効性を調査したランダム化比較試験によると、坐骨神経痛に対する安静臥床の有効性は認められず、椎間板ヘルニアがあっても安静の有無にかかわらず3ヶ月後には87%の患者が改善した。http://1.usa.gov/Wpxvge

■追突事故被害者210名と健常者210名を対象に1年間追跡したリトアニアの前向きコホート研究によると、両群間で頚部痛を訴える頻度に差は認められなかったことから、急性のむち打ち症は自己限定性で慢性のむち打ち症は存在しない。http://1.usa.gov/VvILX5

■喘息患者61名とリウマチ患者51名を対象にストレスリストの有効性を調査したランダム化比較試験では、かつてもっともストレスを受けた出来事を1日20分間書き出すだけで、47.1%の患者が臨床的に意味のある改善を示した。http://1.usa.gov/REpnEa

■腰部椎間板ヘルニアによる馬尾症候群の手術成績に関する研究をメタ分析した結果、発症後48時間以内に除圧術を行なったほうが48時間以降に行なうより知覚障害・運動麻痺・膀胱直腸障害の改善率は良好であることが明らかとなった。http://1.usa.gov/TbuWv3

■脊椎手術を受ける可能性のある患者を対象に対話式ビデオプログラム群と教育パンフレット群の有効性を調べたランダム化比較試験の結果、ビデオ群の手術実施率は36〜27%低下し、治療成績を低下させることなく500ドルの費用削減に成功。http://1.usa.gov/Tf01Ov

■外科医5名と非外科医4名から成る委員会を組織し、1000例の仮想腰下肢痛患者に対する椎弓切除術の適応性を評価した結果、「適切」とされたのは11%のみで、26%は「どちらとも言えない」、63%は「不適切」とされた。http://1.usa.gov/VdOTPL

■腰痛患者161名を対象とした新たな腰痛概念に基づく教育パンフレット『The Back Book』の有効性に関する二重盲検ランダム化比較試験の結果、腰痛に対する患者の誤った考え方を変えて回復を促進させられることが判明。http://1.usa.gov/12Nesga

posted by 長谷川 淳史 at 22:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック