TMSジャパンの腰痛治療セミナーは必ずヘルスリテラシーから始まります。医学・健康情報の真偽を見抜いて有効に活用する能力を養わないと、疾病率の上昇と死亡リスクが上昇するからです。
その中でフードファディズムについても触れています。科学的根拠の有無にかかわらず、食品や栄養素が与える影響を過大に評価するだけでなく、マスコミ・インターネット・書籍・雑誌で流された「この食品を摂取すると健康になる」「この食品を口にすると病気になる」といった情報を鵜呑みにし、バランスを欠いた偏執的で異常な食行動をとることを指します。
その対象は主に、健康に好影響をもたらし得る食品・有害性が疑われる食品・ダイエット食品・健康食品・ミネラルウォーターなどで、健康被害や詐欺にまつわる報告が年々増加しています。つまりクワッカリー(溺れる者に藁を売る商売)の被害者が増えているというわけです。
ではなぜ科学者は声を上げないのでしょう? 嘘が広がるのを黙ってみている方が、立ち上がって誇大宣伝に立ち向かうより簡単で安全だからです。クワッカリーやトキシックテロリストに反論しようものなら、「悪魔の証明」(ある事実は絶対に存在しないことを証明)を強いられるだけでなく(莫大な費用と途方もない時間がかかる)、凄まじいまでの個人攻撃によって職を失う恐れや、本人はもちろん家族の身にも危険がおよびます。
わたしもこれまで数え切れないほど個人攻撃を受けてきましたが(現在も)、世界各国の診療ガイドラインが身を守ってくれました。そう考えると、ヘルスリテラシーの中でもっとも巨大な敵はフードファディズムなのかもしれません。
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なお、メールマガジンの最後に「腰痛の原因と治療に関するエビデンス集」というコーナーがあります。国民の利益になるかもしれません。いちいち承諾を得る必要はありませんので、SNSはもちろんブログやサイトにコピー&ペーストして、正確な情報の拡散にお力を貸していただけると幸甚でございます。
posted by 長谷川 淳史 at 15:13|
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